週刊ラトビアニュース 3月10日(土)~3月16日(金)

310日(土)~316日(金)までのラトビア情勢を解説とともにお伝えします。

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

【今週のヘッドライン】
❖リガを訪れる外国人数の増加
❖スィグルダでスケルトンとボブスレーのワールドカップを開催予定
❖国連の幸福度ランキングでラトビアは53
❖共同生活法策定提案の却下
316日の「Latvian Legion Day」記念行事は平穏に終了
【政治日程】
❖クチンスキス首相年次休暇(312日~16日)

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

❖リガを訪れる外国人数の増加

 312日の報道によると、2017年にリガに滞在した外国人の数は前年から11.5%増加し139万人となった。国別では、ロシア(全体の12.3%)、ドイツ(11.5%)、エストニア(7.7%)、リトアニア(6.7%)などからの訪問者が多かった。入国手段としては、特に船でリガに訪れた観光客は前年から40%以上増加し83万人となったが、これは昨年、リガ・ストックホルム間のフェリーの運航数が拡大したことを受けたものだろう。なお、2月に中央統計局が発表した2017年全体の訪問者数は178万人だった(対前年比13%増)。


❖スィグルダでスケルトンとボブスレーのワールドカップを開催予定

 313日、国際ボブスレー・スケルトン連盟は、2018/2019年シーズンのスケルトン及びボブスレーのワールドカップの一部試合をスィグルダ(リガの北東約50kmに位置する町)で行うことを決定した。スィグルダの競技場では123日~6日にかけて、スケルトンとボブスレー男子2人乗りの試合が行われる予定だ。

 スィグルダには本格的なボブスレー・リュージュ用のレーンがあり、11月~3月中頃までの土日は一般客も約1分間の5人乗りボブスレーを体験できる。夏場には「サマー・ボブ」というタイヤ付きのそりに代わる、ほぼ1年を通じて楽しめるアトラクションだ。


❖国連の幸福度ランキングでラトビアは53

 314日に国連が発表した「世界幸福度報告書2018」の幸福度ランキングで、ラトビアは世界156か国・地域中53位となった(前年から1ランクアップ)。この報告書は、1人あたりGDPや社会支援のあり方などを基準に各国の幸福度を算定したもので、最も幸せな国はフィンランド、最も幸せでない国はブルンジとされた(日本は54位)。バルト三国では、リトアニアが50位、エストニアは63位だった。3年前の調査ではラトビアは89位だったので、ここ数年でだいぶ改善された印象だ。


❖共同生活法策定提案の却下

 315日、国会は、「共同生活法」(Cohabitation Law)策定に向けた提案を反対多数で却下した。この提案は結婚していないカップル(異性カップル・同性カップルを問わない)の法的保護を目的としたもので、「manabalss.lv」という電子署名サイトに1万筆以上の署名が集まったことから国会が法案策定の可否を検討することとなっていた。連立与党3党のうち、首相の所属政党「緑と農民連合」と右派「ナショナル・アライアンス」は当初から提案に反対する意向を示していた。

 ラトビア憲法には結婚は「男女による」ものと明記されており、同性婚は認めていない。というかラトビアではLGBT等に対する偏見がEUの中でも特に強い。以前、LGBT関連のNGOの方に聞いた話によると、①ソ連時代は同性愛者=犯罪者とされていため、その名残があること、②ロシアが「同性愛宣伝禁止法」を制定し(2013年)、ラトビアのロシア語系住民を中心に同性愛を悪いものをみなす風潮が再燃していること、③ラトビアの聖職者が性的マイノリティーに対して否定的な発言を行っていること、などがこの偏見を助長しているそうだ。

 今年はバルト三国が持ち回りで行っているBaltic Pride(ユーロプライドのバルト版)の開催国がラトビアとなり、6月9日にリガでメインのパレードが行われる。奇しくも独立100周年の年に重なり、ヨーロッパへの統合を外交の優先課題としてきたラトビア政府がどのような対応をとるのか見物だ。


316日の「Latvian Legion Day」記念行事は平穏に終了

 316日、第二次世界大戦中にナチス・ドイツの一員としてソ連軍と戦い、祖国の解放に尽くしたラトビア人兵士を追悼する「Latvian Legion Day」記念行事が行われた。当日は、警察の指示に従わなかった外国籍者1名と公共の場で飲酒していた1名が一時拘束されることはあったが、行事自体は特に大きな衝突もなく平穏に終了した。

 316日が「Latvian Legion Day」になっているのは、1944年のこの日、ラトビア人部隊(Latvian Legion)がラトビア人司令官による単独の指揮でソ連軍と戦った唯一の交戦があったためとされる。ラトビアではこれを記念し、毎年316日にリガ旧市街~自由記念碑周辺で退役軍人グループや市民が追悼行事(集会・行進など)を開催しれている。一方でラトビアのユダヤ人コミュニティやロシア系住民を母体とする「反ナチズム協会」などは、ナチズムの賛美に反対する立場から同じ日に集会を行っている。

 ラトビアの国会は1998年に316日を公式の追悼記念日に指定したが、ナチズムを礼賛するあらゆる行為を非難すべしとの立場から欧州諸国を中心に国際的な圧力がかかり、2000年、国会は316日を公式の記念日から除外した。近年、国会議員の中にはこの行事に参加する者もいるが、首相・大臣レベルの記念行事への参加は禁止されている(2014年は閣議決定で明示的に禁止された)。ラトビア政府は、316日は亡くなった軍人を追悼するために退役軍人らが自主的に墓地を訪れたり自由記念碑に献花したりする日であり、いかなる全体主義的イデオロギーへの支持を表明するものでもないと一環として主張。一方で例年、ロシア系メディアは316日の行事をラトビアにおける“ナチズムの復興”などとして避難する動きがある。

 今年はロシアの大統領選挙(318日)が近かったこともあり衝突のリスクが高いとされていたが、大きな問題なく終わったようだ。

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

以上、今週のニュースをお伝えしました。次回は324日(土)以降に更新の予定です。

(リガ新市街で行われた蚤の市。寒い時期は蚤の市も屋内で開催されます。)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です