週刊ラトビアニュース 10月30日(土)〜11月3日(金)

10月28日(土)〜11月3日(金)までのラトビア情勢を解説とともにお伝えします。

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【今週のヘッドライン】
❖10月の政党支持率の発表
❖2017年第3四半期のGDP成長率は5.8%
❖給与総額の約5分の1が「封筒賃金」―歳入庁調査
❖世銀の「Doing Business」ランキングでラトビアは19位
❖ジェンダーの平等度ランキングでラトビアは20位

【政治日程】
❖ベーヨニス大統領ドイツ訪問、宗教改革500周年記念行事出席(10月31日~11月1日)
❖クチンスキス首相フィンランド訪問、NB8首相会合出席(11月1日)
❖エッティンガー欧州委員の来訪(11月2日)
❖クチンスキス首相インド訪問(11月2日〜6日)
❖ディミトロフ・マケドニア外相来訪(11月1日〜2日)

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❖10月の政党支持率の発表
10月30日、調査会社SKDSが行った10月の政党支持率が発表された。親ロシア政党「調和」が引き続き1番人気。9月時点の支持率と比較すると、「調和」や連立与党の2政党「緑と農民連合」「ナショナル・アライアンス」などが支持率を伸ばした。一方、2014年10月の国会選挙では連立与党内で最大議席を獲得した「統一」の支持率は3.5%まで下落した。

ラトビアの国会選挙制度上、5%未満の得票率だった政党は議席を獲得できない(全有効票のうち、得票数が5%未満だった政党に入れられた票は、他の政党に振り分けられる)ため、「統一」はギリギリ議席をとれるかどうかというところ。もっとも、今回発表された調査では「支持政党を決めていない」と回答した者が23.5%を占めたため、各党の支持率と実際に選挙が行われた場合の議席配分は大きく変わる可能性が高い。

 

❖2017年第3四半期のGDP成長率は5.8%
10月30日、ラトビア中央統計局は2017年第3四半期のGDP成長率が対前年同期比5.8%だったとの速報を発表した。第1四半期・第2四半期の4.0%に続く成長。工業(8%増)、建設(23%)などの部門が成長を牽引したとされる。確報は11月30日に発表される。

当地スウェーデン系銀行Swedbankのチーフ・エコノミスト、カザークス氏は2017年の成長率見込みを5%とし、18年も4%かそれを上回る成長が続くとコメント。ラトビア経済省は、17年の成長率見込みを4.5%としている。


❖給与総額の約5分の1が「封筒賃金」―歳入庁調査
11月1日、歳入庁は、2016年の民間セクターの簿外給与(いわゆる「封筒賃金」)が約9億4,000万ユーロ(給与総額の21.6%)に上ったとの調査結果を発表した。歳入庁によると、ラトビア国内の労働者の約20万人が、給与の20~50%にあたる額を「封筒賃金」として受け取っているとされる。

ラトビアでは、所得税や社会保障税などの納税を逃れるために、銀行に振り込まれる“正規の”給与とは別に現金で未申告の給与を渡す企業が数多く存在する。特に小企業(マイクロエンタープライズ)は税制面で優遇措置を受けられる一方で従業員の給与は月額720ユーロまで(2017年現在)と制限されていることから、小企業の中には例えば約700ユーロを銀行振込とし、残りを現金で手渡しているところもある。労働者にとっては単純に給与が多くもらえ、企業にとっては納税額が少なくて済むという双方にとってメリットのあるしくみとなっている。

近年、歳入庁は闇経済(shadow economy)対策の一環で簿外給与を渡している企業の特定に力を入れている。しかし、ラトビアではそもそも企業・個人の政府に対する信頼度が一般的に低いため、納税のインセンティブを上げるという根本的な問題解決は難しいと思われる。


❖世銀の「Doing Business」ランキングでラトビアは19位
10月31日に世銀グループが発表した報告書「ビジネス環境の現状2018」(Doing Business 2018」の総合ランキングで、ラトビアは世界190か国・地域中19位となり、前年の14位から5ランクダウンした。バルト三国では、エストニアが昨年に続き12位をキープ、リトアニアは21位から16位にランクアップした。3か国の順位に大差はないように思われるが、項目別でみると、ラトビアは「建設許可」と「契約執行」の面で2か国に若干遅れをとっているようだ。


❖ジェンダーの平等度ランキングでラトビアは20位
11月2日に世界経済フォーラム(WEF)が発表した世界各国の男女の平等度合いを示す報告書(The Global Gender Gap Report 2017)で、ラトビアは対象となった144か国中20位にランクインした。バルト三国ではエストニア:37位、リトアニア:28位と、このランキングではラトビアが3か国中トップとなった。

ジェンダー関連の話題では、ラトビアは女性管理職の割合がEU内でトップ(47%)であることが有名(EU平均は33%)。ただしこの数値は、ラトビア政府がジェンダーの問題に積極的に取り組んだ結果とは一概に言えない。ラトビアではソ連時代から女性が普通に仕事をしており、今でも結婚・出産を経ても夫婦共働きの家庭が多い。また、ラトビアではソ連崩壊後の混乱や世界経済危機の時期に男性労働者が大量に国外移住して、人口構成でみると男性の絶対数が少ない(男性100人に対して女性の数は118人)。確かに「ラトビアでは女性の社会進出が盛ん」と言えるだろうが、その背景は少し複雑なようだ。

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以上、今週のラトビア情勢でした。次回は11月11日(土)以降に更新予定です。


(国立オペラ・バレエ劇場近くの小道。すっかり秋模様です。)

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