週刊ラトビアニュース 11月11日(土)~11月17日(金)

11月11日(土)~11月17日(金)までのラトビア情勢を解説とともにお伝えします。

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

【今週のヘッドライン】
❖アーボルティニャ「統一」議員団長は12月まで留任
❖ラトビア語教育への統一計画に反対するデモが発生
❖Meridian Trade銀行に89万ユーロの罰金
❖外国人訪問者数の増加
❖第3四半期の労働力調査の発表
❖ラトビア人の平均寿命はOECD諸国中最低
❖光の祭典「スタロー・リガ」が開幕

【政治日程】
❖ラーチプレースィス・デー記念行事の開催(11月11日)
❖リンケービッチ外相EU外務理事会・総務理事会出席(11月12日~13日)
❖リンケービッチ外相アイルランド訪問(11月15日~16日)
❖クチンスキス首相スウェーデン訪問(11月17日)

+*+*+*+*+*+*+*+*+*+*

❖アーボルティニャ「統一」議員団長は12月まで留任
11月16日、アシェラデンス「統一」党首は、国会内会派「統一」議員団長の選出に関して、冬期国会が閉会する12月21日まではアーボルティニャ現団長が引き続き同職に留まることとなったと述べた。「統一」幹部はアブ・メリ議員を次の議員団長に推薦することとしている。

アーボルティニャ議員は前回のニュースで取り上げた通り「統一」から除名されており、「統一」では他にも党員の離脱が相次いでいる。現在、国会内で「統一」会派を名乗っている議員22名のうち、党員は半分以下だ。最近では元内務大臣・国防大臣のリンダ・ムールニエツェ氏もを離党を表明。ムールニエツェ氏は上述のアブ・メリ議員との離婚を今年の夏に発表したばかりで、同じ「統一」党員同士のもつれがここにも表れているのかと勘ぐってしまう。


❖ラトビア語教育への統一計画に反対するデモが発生

11月16日、リガ市内の教育・科学省及び首相府周辺で、ラトビア語教育への統一計画に反対するデモが発生し、報道によると、年配者を中心に1,000人以上がこれに参加した。

この教育計画は今年の10月始めに発表されたもので、2020/2021年度から、国内の全公立高校で用いられる言語をラトビア語のみに統一しようという動きがある。現在はマイノリティーの学校(ロシア系住民向けなど)では全科目の40%以上をラトビア語で教えることが義務付けられているが、新しい教育計画ではマイノリティーの学校であっても語学や歴史などの一部科目を除いて全てラトビア語で教えることを義務化する様子。これに対する抗議活動は10月23日にも発生しており、今回は規模が拡大している。


❖Meridian Trade銀行に89万ユーロの罰金

11月14日、銀行業や貸金業などの事業認可・監督を行う「金融・資本市場委員会」(FKTK)は、クレジット・リスク・マネジメントにおける内部管理が不十分であったとして、Meridian Trade(以下、MT)銀行に約89万ユーロの罰金を科すと発表した。これに対してMT銀行は、FKTKの決定を受け入れ、内部管理システムの改善に取り組むとのプレス・リリースを発出した。

MT銀行は資産規模で国内銀行16行中10位とあまり有名な銀行ではないが、本店は首相府の向かいという好立地にある。ちなみに、Google MapでMT銀行のストリートビューを表示すると、改称する前の「SMP BANK」の看板が現れる。MT銀行の元親会社・ロシアのSMP銀行は、2014年に米国の制裁リストに入った際にラトビアのSMP銀行の株式を売却し、それが後にMT銀行となったためだ。MT銀行はモスクワにも駐在員事務所を構えており、今でもロシア系の顧客が多いであろうことは容易に想像がつく。


❖外国人訪問者数の増加

11月14日、ラトビア中央統計局は、2017年第3四半期にラトビアを訪問した外国人の数は65.9万人と対前年同期比11.8%増加したと発表した。出身国別では、最多のドイツ(全体の14%)のほかは、ロシア(11.3%)、リトアニア(10.9%)、エストニア(7.9%)など近隣諸国が占めた。日本からの訪問者数は7,998人だった(対前年同期比4.1%増)。

この「訪問者数」はホテル等に宿泊した人数を指しており、日帰り訪問の観光客は含まれていない。日本人観光客はバルト三国をまとめて旅行する人が多いだろうが、北から入っても南から入っても、真ん中にあるラトビアは通過するだけで終わってしまうことがある。日帰り訪問を含めると、数千人は増えるんじゃないだろうか。


❖第3四半期の労働力調査の発表

11月15日、中央統計局は2017年第3四半期の労働力調査結果を発表した。失業率(15~74歳)は8.5%と対前年同期比1.0ポイント低下。ラトビアの失業率は2012年第1四半期の16%超から順調に低下しているが、EU平均を上回っており、バルト三国の中でも最も高い。就業率(15~74歳)は対前年同期比1.8ポイント上昇し、過去20年間で最高の63.6%を記録した。

この労働力調査では、以下の通り手取り月給の分布も発表された。

手取り月給(ユーロ)2016 Q32017 Q3
450以下44.0%38.9%
450.01~70020.1%18.7%
700.01~1,40030.9%20.8%
1,400.01以上1.4%1.9%

一番多いのが手取り月給450ユーロ以下という労働者で、全体の約4割。リガ市中心部だと1DKのアパートの家賃代だけでこれくらいはする。450ユーロの手取りでどうやって暮らしていけるのかいまだに謎だが、きっとほとんどの人に「封筒賃金」のような隠れた収入があるのだろう。


❖ラトビア人の平均寿命はOECD諸国中最低
11月10日にOECDが発表した報告書「図表でみる医療 2017」(Health at a Glance 2017)によると、ラトビア人の平均寿命は74.6歳とOECD加盟国35か国中最低だった(男性:69.7歳、女性:79.5歳)。1位はもちろん日本。

報告書の中からいくつかおもしろい指標をピックアップする。まず、毎日果物を食べる成人の割合。OECD平均が56.8%なのに対してラトビアは29.7%と35か国中最低。ラトビアでは街中でよく「ご自由にお取りください」と書かれた箱に大量にりんごが入っているのを見かけるので、日常的に果物を食べる人が多いのかと思っていた。意外な結果だ。
次にアルコール消費量。OECD平均の一人当たりアルコール消費量は9.0リットル、ラトビアは10.8リットル。問題は、OECD諸国全体では2000年から2015年にかけてアルコール消費量が減少しているのに対して、ラトビアはむしろ3~4リットル増えていることだ。と思ったらお隣リトアニアの消費量も5リットルほど増えて15.2リットルとなっていた。日本の消費量の約2倍。こちらの方が深刻そうだ。


❖光の祭典「スタロー・リガ」が開幕

11月17日~20日にかけて、リガ市内で毎年恒例の光の祭典「スタロー・リガ」が開催されている。午後5時から11時まで、市内のあちこちでプロジェクション・マッピングや建物のライトアップ、光をモチーフにした展示などが行われてる。ラトビアの独立記念日である11月18日には軍事パレードがあり、夜には花火もあがった。


(旧市街のドーム広場。寒い中、大勢の人が祭典を楽しんでいた)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です