週刊ラトビアニュース 11月18日(土)~11月24日(金)

11月18日(土)~11月24日(金)までのラトビア情勢を解説とともにお伝えします。

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【今週のヘッドライン】
❖2018年予算案&関連法案の採択
❖ICT開発指数ランキングでラトビアは35位に
❖ガス供給会社GASO社の設立
❖Paying Taxランキングでラトビアは13位
❖ラトビア人選手がソチ五輪金メダリストに繰り上げ
【政治日程】
❖ラトビア独立99周年記念行事の開催(11月18日)
❖リンケービッチ外相EU総務理事会出席(11月19日~21日、ブリュッセル)
❖ベーヨニス大統領&リンケービッチ外相EU東方パートナーシップ・サミット出席(11月23日~24日、ブリュッセル)

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❖2018年予算案&関連法案の可決

11月23日~23日、国会で2018年予算案及び関連法案が可決された。主な内容は以下の通り。

(1)予算案

・歳入:87億5,100万ユーロ(対前年比7億2,511万ユーロ増)
・歳出:89億5,200万ユーロ(対前年比6億2,482万ユーロ増)
・2018優先分野への支出:
①国防予算:50億7,634万ユーロ(対前年比1億2,680万ユーロ増、対GDP比2%)
②医療・保健:2億3,500万ユーロ増

(2)主な経済指標(目標)

・名目GDP:283億5,900万ユーロ
・実質GDP成長率:3.4%
・インフレ率:2.8%
・失業率:8.2%

 (3)関連法案
①野菜・果物類の付加価値税(VAT)引き下げ
22日に可決されたVAT法改正案により、2018年1月~2020年12月末までの3年間、一部の野菜・果物類に対するVATの税率が21%から5%に引き下げられることとなった。対象となるのはラトビアで“一般的に見られる”野菜・果物とされ、じゃがいも、人参、玉ねぎ、キャベツなどの野菜類、りんご、イチゴなどの果物・ベリー類など全64種。一覧表を詳しく見てみると、ストロベリー・クランベリー・ラズベリー・ブルーベリーなどなど、ベリー類が約3分の1を占めていた。ラトビアは冬でも何種類ものベリーが店頭に並ぶベリー大国だ。

(写真左手から順にクランベリー、ラズベリー、イチゴ、ビルベリー、ブルーベリー。夏場にはもっと種類が増える。)
②住宅ローン支援制度の対象者が拡大

同じく22日に可決された関連法により、子どものいる世帯を対象に行われていた住宅ローン支援制度の対象者が拡大し、35歳までの高等教育・専門教育修了者も含まれることとなった。この制度は、対象者が初めて住宅を購入する際に政府が保証人となることで、頭金の実質負担額を減らすというもので、子供の数によってその割合と金額の上限が定められていた。今回、35歳までの者も対象となったが、そのために2018年分として割り当てられた金額はたった30万ユーロ、想定される利用者数は184人。一人当たり平均1,630ユーロだ。政府のやる気のなさもそうだが、ラトビアの若者はこの程度の金額さえ貯金できないのかという方が気になってしまう。

❖ICT開発指数ランキングでラトビアは35位に

11月15日に国際電気通信連合(ITU)が発表した電話やインターネットなどITの普及率を示す2017年の「ICT開発指数」ランキングで、ラトビアは世界176か国・地域中35位となった(前年から5ランクアップ)。1位~3位は順にアイスランド、韓国、スイス。バルト三国ではエストニア:17位、リトアニア:41位。ラトビアがエストニアに勝っているのはインターネット速度くらいで、全体的にITの国・エストニアに大きく差をつけられた。

❖ガス供給会社GASO社の設立
11月22日、ラトビア・ガス社の株主総会が開かれ、ガス供給部門を担う子会社としてGASO社が正式に設立された。取締役会長にはペーテルソネ=ゴドマネ前内務次官が選出された。
ラトビア・ガス社はもともと国内のガスの運搬・貯蔵・輸送・供給を独占的に行っていたが、2016年2月のエネルギー法改正を受け、分社化・再編成が進められている。2016年12月には運搬・貯蔵部門を担うConexus Baltic Grid(CBG)社が設立。CBG社の株主構成は、ラトビア・ガス社と同じ(露ガスプロム:34%、ヨーロッパのファンドMarguerite Gas II:28.97 %、独Uniper Ruhrgas International:18.26%、ITERA Latvija:16%)だが、エネルギー法の規定により、Marguerite Gasを除く株主は2017年末までに株式を売却することとなっており、ラトビア政府も株式取得の可否を検討している。
ちなみに今回GASO社のトップに就任したペーテルソネ=ゴドマネ氏は、これまで与えられていた国家機密取資格が事実上剥奪され、職務を遂行できなくなったとして内務次官を辞任した人物だ。この件については、同人がITERA Latvija社のサビツキス社長と親密な仲にあることが原因とも報じられていた。ITERA社はラトビアとロシアの合弁事業。真偽は不明だが、ラトビア政府はインフラ関連企業のロシアとのつながりに非常に神経質になっているようにも読み取れる。
❖Paying Taxランキングでラトビアは13位
11月22日、PricewaterhouseCoopers(PwC)と世銀グループが発表した各国の納税のしやすさを表す「Paying Taxes 2018」のランキングで、ラトビアは190か国・地域中13位となった。1位はカタールとアラブ首長国連邦。バルト三国では、エストニア:14位、リトアニア:18位だった。ほとんど差はないが、ラトビアはモデル企業の公的税負担率が2か国と比べて低いことが有利になったようだ。ただし、納税にかかる時間で比べると、エストニアは50時間とヨーロッパ内で最も短いのに対して、ラトビアは169時間。手続面で見た場合はエストニアの方が断然ビジネス環境が整っているように思われる。
❖ラトビア人選手がソチ五輪金メダリストに繰り上げ
11月22日、国際オリンピック委員会は、ロシアの組織的なドーピング問題を受けて2014年ソチ五輪で採取したロシア人選手の検体を再検査した結果、スケルトン男子で金メダルを獲得したアレクサンドル・トレチャコフ選手ら4名を失格・永久追放処分とすると発表した。これにより、同種目で2位だったラトビアのマルティンス・ドゥクルス選手は1位、兄で同種目4位だったトマス・ドゥクルス選手が3位にそれぞれ繰り上げられる見込みとなった。さらに23日、ボブスレーで金メダルを獲得したアレクサンドル・ズブコフ選手も失格となったため、同種目団体2位だったラトビア人チームも1位に繰り上げとなるようだ。
ソチ・オリンピックでラトビア人選手のメダル獲得数は銀2・銅2。当時、メダリストの写真入りの記念切手も発行された。来年の平昌五輪でもメダル獲得が期待できそうだ。

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以上、今週のニュースをお伝えしました。次回は12月2日(土)以降に更新の予定です。

(11月23日に発表された平昌五輪ラトビア・チームの公式ユニフォーム)

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