週刊ラトビアニュース 2月24日(土)~3月2日(金)

224日(土)~32日(金)までのラトビア情勢を解説とともにお伝えします。

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【今週のヘッドライン】
❖リムシェービッチ・ラトビア中銀総裁の動向
❖新党「Movement For!」の党員数が国会選挙出馬要件の500人を超える
ABLV銀行が清算手続開始を決定
2017年の実質GDP成長率は4.5
❖平昌オリンピックでのラトビア人選手の活躍
❖市民権・移民局が年初人口を発表
2017年の平均月給は926ユーロ
❖アルコール税の引上げ
❖金融機関の清算人・破産管財人に対する報酬額に上限を導入
2017年の人気企業ランキング、1位はSEB銀行
【政治日程】
❖リンケービッチ外相 ブリュッセル訪問(EU外務理事会・総務理事会出席)
❖ベーヨニス大統領 エストニア訪問(228日、エストニア独立100周年記念オペラ鑑賞)
❖フロイスマン・ウクライナ首相来訪(31日~2日、ベーヨニス大統領及びクチンスキス首相と会談)
❖ベルグマニス国防大臣 訪日(226日~31日)
❖ムールニエツェ国会議長 モルドバ訪問(228日~32日)

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リムシェービッチ・ラトビア中銀総裁の動向

 2月17日に汚職容疑で拘束され、19日に保釈されたリムシェービッチ・ラトビア中央銀行総裁は、汚職防止・摘発委員会(KNAB)の職員に付き添われながら2月26日より再び中央銀行に出勤していると報じられた。中銀関係者によると、リムシェービッチ氏はKNABから総裁職を務めることを禁じられているため、26日以降の勤務に対して報酬は支払われていないとのこと。


新党「Movement For!」の党員数が国会選挙出馬要件の500人を超える

 20178月に結成された新党「Movement For!」は、2月27日、同党の党員数が528名となり、今年10月に行われる国会選挙に立候補するための要件を満たしたと発表した。2016年3月に改正された国会選挙法では、国会選挙への参加を望む政党もしくは政党連合は、選挙の最低1年前までに設立されていなければならず、また、500名以上の党員を有していなければならないことが定められている。

 「Movement For!」は与党「統一」離脱議員などが中心となって結成された政党で、当初の党員数は200名程度だったと記憶している。これまでの世論調査では支持率が伸び悩んでおり、立候補できたとしても議席を獲得できるかどうかは微妙なラインだ。


ABLV銀行が清算手続開始を決定

 2月26日、ABLV銀行の株主は、緊急会合において、顧客及び債権者の利益を守るためとして清算手続の開始を決定した。27日、ベルニス同行CEOは、これに伴い3月以降に同行の従業員約900人のうち300人程度が解雇される見込みであると述べた。

 ABLV銀行に勤める知人は少なくとも2月24日の時点で既にリストラされたことを明らかにしていた。ほかの友人の話では、この事案はいろいろな銀行と密接に関わっているため、他にも破綻する銀行が出てくる可能性があるとのことだった。


2017年の実質GDP成長率は4.5

 2月28日、中央統計局は、2017年の名目GDPは269億ユーロ、実質GDP成長率(対前年比)は4.5%だったと発表した。部門別では、2016年に対前年比18%減少した建設は2017年には19.4%増加したほか、製造業(8.0%)、輸送・倉庫(7.3%)などの部門で成長がみられた。一方で、金融・保険業は保険料の支払い増などを背景に前年から16.6%落ち込んだ。


平昌オリンピックでのラトビア人選手の活躍

 2月9日~25日にかけて行われた韓国・平昌オリンピックでは、ボブスレー男子2人乗りでラトビアのチームが銅メダルを獲得。他にも以下のとおりラトビア人選手が健闘した。
(1)リュージュ
メダルが期待されていたシッチ兄弟(アンドリス・シッチ及びユリス・シッチ選手)は、リュージュ男子2人乗りで6位入賞となった。また、チーム・リレーでもシッチ兄弟を含むラトビアのチームが6位となった。
(2)スピードスケート
男子1,500 mでハラルツ・スィロウス選手が4位に入賞した。
(3)スケルトン
 2014年ソチ五輪スケルトン男子の銀メダリスト、マルティンシュ・ドゥクルス選手は同種目で4位に入賞した。兄のトマス・ドゥクルス選手は5位だった。
(4)ボブスレー
ソチ五輪メダリストのオスカルス・メルバールディス選手及びヤーニス・ストレンガ選手は男子2人乗り種目で銅メダルを獲得した。また、男子4人乗りでは5位に入賞した。


市民権・移民局が年初人口を発表

 2月26日に市民権・移民局(PMLP)が発表した最新の人口統計によると、2018年1月1日時点のラトビアの人口は2109,742人で、前年から19,578人(0.92%)減少した。民族別の内訳は、多い順にラトビア系:60.2%、ロシア系:26.0%、ベラルーシ系:3.2%、ウクライナ系:2.4%など。いわゆる「ロシア語系住民」は人口の約3割を占める。なお、リガ市の人口は701,064人となり、前年から3,412人(0.48%)減少したが、減少幅は全国平均と比べると緩やかだ。 


2017年の平均月給は926ユーロ

 3月1日、中央統計局は、2017年の平均月給(グロス)は前年から7.9%(67ユーロ)増加し926ユーロとなったと発表した。業種別では、金融・保険部門(1,921ユーロ)、情報・通信部門(1,477ユーロ)、電気・ガス・空調部門(1,209ユーロ)などの月給が高い一方で、宿泊・食品サービス部門(634ユーロ)や教育部門(735ユーロ)などは平均を下回っていた。手取りの平均月給(ネット)は前年から7.0%(45ユーロ)増加し676ユーロとなった。

 ちなみに財務省は2019年にグロスの平均月給が1,000ユーロを超えると見込んでいる。


アルコール税の引上げ

 3月1日より一部のアルコール飲料に対する物品税の税額が以下の通り引き上げられた。アルコール税は2020年まで毎年段階的に引き上げられることとなっている。度数6%未満の発酵酒の税率が据え置きになっているのは、ラトビアの酒造メーカーが作る地元のベリー類を原料とした発酵酒がこれくらいの度数であることから、地元の企業をできる限りサポートしたいという政府の意向が反映されたものらしい。

100リットルあたり税額。単位:ユーロ)

2017年3月~

18年3月~

19年3月~

20年3月~

ビール※

4.5

6.8

7.4

8.1

ワイン

78

92

101

111

度数6%未満の発酵酒

64

64

64

64

度数6%以上の発酵酒

78

92

101

111

度数15%未満のアルコール飲料

78

92

101

111

度数15%以上22%未満のアルコール飲料

130

150

168

185

その他アルコール飲料(エチルアルコール)

1,450

1,670

1,840

2,025

※小規模ビール製造会社の製品については年間100万リットルまで50%の免税が適用され、税率は実質半分となる。


金融機関の清算人・破産管財人に対する報酬額に上限を導入

 3月1日、国会は、金融機関の清算人及び破産管財人に対する報酬額の上限を月額10万ユーロとすることなどを定めた金融機関法改正案を可決した(3月16日施行)。これまでの法律では、金融機関の清算手続に伴い、清算人が流動性の高い資産を売却することで多額の資金を獲得することが可能であったことから、ABLV銀行の清算手続開始の決定を受け、それを防ぐことを目的に本法案が早急に策定されたようだ。ABLV銀行の清算人・破産管財人はまだ任命されていないため、任命後の報酬にはこの法律の基準が適用されることとなる。


2017年の人気企業ランキング、1位はSEB銀行

 3月2日、求人情報サイト運営会社CV-Online Latviaが発表した2017年の人気企業ランキングで、スウェーデン系のSEB銀行が1位に選出された(201712月~18年1月にかけて行われた調査で、約7千人が回答)。SEB銀行は前年の24位から躍進した。2位はABLV銀行、3位はLatvenergo(電力会社)だった。

 部門別ランキングでは、ケータリング:LIDO(レストラン)、金融:Swedbank(銀行)、運輸・物流:エア・バルティック(航空)、IT・通信:Latvijas Mobilais TelefonsLMT:携帯電話・通信サービス)、貿易:Circle K Latvia(ガソリン等小売)、生産・製造:Latvenergoがそれぞれ1位となった。

 北欧資本の企業と国有企業が多いのはラトビアらしい。金融・保険部門はもともと高収入が見込めるが、清算されることとなったABLV銀行はその中でも特に給料が高いことで有名だった。

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以上、今週のニュースをお伝えしました。次回は310日(土)以降に更新の予定です。

(渦中のABLV銀行内にある食堂。ラトビアらしいメニューが手ごろな価格で味わえます。)

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